囲い込み行為を防止する媒介契約の結び方

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2015年、ダイヤモンドオンラインに掲載されたひとつの記事が波紋を呼びました。『大手不動産が不正行為か 流出する”爆弾データ”の衝撃』と題する記事は、不動産業界の暗黙の秘密を暴き、囲い込み行為の実態を知らしめるものだったからです。

三井不動産リアルティ、住友不動産販売をはじめとした大手不動産仲介会社が、物件の囲い込みを行っている。

みんななんとなく「そうだろう」と思っていたことですが、エビデンスをもってつきつけられると衝撃的な事実です。

両手仲介とは何か?

両手の「手」は手数料(仲介手数料)を表します。次の図を見ていただければわかるとおり、仲介手数料を売主・買主の両方からもらうと、仲介業者の手数料収入を最大化することができます。

売主または買主の一方から手数料をもらう「片手」に比べて、「両手」であれば手数料が倍になるわけですから、不動産業者であれば当然に、まずは両手取引を狙うはずです。

そして、それ自体は違法でも何でもありません。

囲い込み行為とは何か?

ところが、売主の都合より自社の収益にこだわり、とにかく両手取引でなければ売らないという業者が存在します。

そういう業者は、他社から「御社が仲介契約をしている物件を買いたいお客様がいる」という連絡を受けても、「もう商談が入っているから」と断ってしまうのです。

こうなると法令に違反していると言わざるを得ません。

囲い込まれないための自衛手段

これを明らかにする不動産業者は全国でもほとんどいないと思います。が、囲い込まれないための、間違いないコツがあります。

ズバリ、一般媒介契約を選ぶこと!

通常、仲介を依頼して「一般媒介契約」を勧めてくる業者はまずいません。通常は専任媒介契約や専属専任媒介を勧めてきます。

なぜなら、仲介業者にとってうまみがあるからです。

専任媒介契約や専属専任媒介契約は、その1社のみに仲介を任せるという契約であるため、囲い込み行為がしやすいのです。ところが、一般媒介契約であれば、2~3社に仲介を任せるため、囲い込むことができません。

逆にいえば、専任媒介のみを強引に勧めてくる不動産業者は、最初から囲い込む気満々で来ている可能性が大です。
なので、媒介契約はまず一般媒介を検討しましょう。もちろん、事情があれば専任媒介契約が有利なケースもあります。それはまた、別のエントリーでご説明しましょう。