平成30年地価調査分析「名護市」

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全国全用途で基準地価が27年ぶりに上昇した、今年の地価調査。全国平均で地価が上昇するのはバブル期以来といわれています。その中でも沖縄県は、全国最高となる5%の上昇とされています。しかも沖縄県に限っては、5年連続の上昇でもあり、県内景気の好調さを印象づける調査結果となっています。

そんな中で、名護市の地価はズバリ「横ばい」

もうちょっと具体的にいうと、ほとんどのエリアが横ばいで、宇茂佐の森など一部が比較的顕著に上昇しているという状況です。

名護市内は意外と落ち着いている

最近、名護市内の区画整理地内物件の価格査定依頼をお受けすることが多いのですが、実勢価格で見てもこのところ落ち着いた推移となっています。だいたい横ばいです。

郊外に目を向けてみても、ほとんどのエリアは横ばい。ただし、実態を無視した高値での売り出しが名護市全域で見受けられ、値付けの高すぎる土地が硬直状態にある様子を見かけます。

具体的に、地価調査のデータから見ていきましょう。平成29年と比較して、平成30年の地価調査結果が横ばい(プラスマイナスゼロ)なのは、名護市字安和、字伊佐川、大南一丁目、大東一丁目などの基準値です。

①明らかに地価が上昇している

名護市字宇茂佐の森+2500円
宮里7丁目+2100円

②地価が下落している

名護市字我部祖河-200円
港2丁目-500円

③微増ながら気になる

名護市字辺野古+300円
字饒平名+50円

突き抜けた動きまではない…

上記からわかるのは、名護市大南、大東、大北などの旧来からの市街地で変動がないことです。このあたりは完全に横ばいです。港2丁目がマイナスとなっていますが国道58号線の北側はひとくくりに横ばいといえます。

名護市字宇茂佐の森などの新興区画整理地で価格上昇が著しいのですが、旧来の市街地を追い抜く勢いとまではいきません。旧来の市街地に並ぼうとする状況です。突き抜けた動きではないのです。

ということは、名護市内で市街地の価格を過去平均よりも押し上げようという動きはなく、地価ははおおよそ横ばいと言ってよいと思います。

郊外ではリゾート開発と投機が下支え

前述したように名護市字饒平名や字辺野古で若干の価格上昇が見られます。このうち字饒平名は屋我地島の一角にあり、あまりリゾート化されていない地域です。屋我地島全体での開発予定は多々ありますので、島内のほかのエリア(たとえば済井出や屋我)で地価を調査していたとすると、大きく上昇していた可能性があります。

ユインチホテルを経営する県内企業が名護市字屋我で、海外の企業が隣接する済井出エリアで開発を予定しているといわれています。また、字済井出には県内大手の建築会社が建てたコテージタイプの宿泊施設が多数あり、ビーチリゾート化することはまず確実です。

同じ屋我地島にありながら、饒平名はリゾート開発の動きからやや取り残されているのですが、それでも余波を受けて若干の地価上昇が見られるのでしょう。

辺野古についてはまだ断言できませんが、普天間基地移転を見越した投機的な動きがあるようです。地価上昇はその影響かもしれません。