査定困難土地①海辺の無道路地

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現在、査定困難な土地をいかにして売り出し可能とするかを検討中です。今回はそのお話を。

査定依頼地は小さなビーチがある、海辺の土地。ただし、道路がない完全な袋地です。実はこの状況での査定依頼が2件(今帰仁村と大宜味村)あり、いずれも次のような手順で調査を行いました(ごく一般的な手順ですが、確認しておきましょう)。

郊外の土地の調査手順

建物がない土地はGoogleMapsやカーナビなどでは検索できないため、まず最初に場所を確定する必要があります。そのために役所(役場)を訪問し、付帯する調査とあわせて次のような手続きをとります。

①航空写真付き地籍併合図を入手(これで場所を確定)
②確定した場所の法令上の制限を確認(とくに農地法など)
③水道等のインフラを確認

現在案件として抱えている2つの査定困難な土地は、上記の調査でいずれも「道路に接していない」「簡単に道路に接することができない」という状況が判明しています。

無道路地をいかにして生かすか?

しかし、上記の2つの土地はいずれもビーチに接しており、道路付けさえ可能であればある程度の価格を付けることができます(というより人気の土地になりそうです)。
そこで、次に法務局で所有者を調査します(今はオンラインでできます)。土地の登記簿等を取得すると、登記名義人の氏名と住所が記載されていますので、そこから隣地所有者を探して交渉してみる、という方法がまず考えられます。ここで隣地所有者が「一部売却しましょうか?」とか「おたくの土地と同時に売却していいですよ」と言ってくれればラッキーなのですが、経験上その可能性は極めて低いといえます。土地を売る気がない人は、説得しても売りません。
次に考えられるのは、林などに埋もれている里道を利用して接道させられないか? という方法。今帰仁村や大宜味村などは都市計画区域外であるため、建築基準法第42条の道路に接していなくても(すなわち里道にしか接していなくても)建築可能な場合があるからです(4号建築物であれば建築確認申請ではなく村役場等への建築届で建築できるため)。そこで役場のしかるべき部署(建設課など)に、その確認を行いに行きます。
里道に接していれば一定の建築物は建築可能ですよ、という返答になる場合が多く、あとは樹木に覆われたその里道を正確に測量して伐採、開墾する予算(けっこうな予算がかかりそうです)がとれるかどうか? で、無道路地を生かせるかどうかが判断できます。

なかなか困難な道のりですし、検討した結果「どうしても不可能」というケースも多々あります。ビーチ沿い土地はそれでも売出する価値があると考え、対応を続けています。