8月16日付けの沖縄タイムスで、嵐山ゴルフ場跡地にテーマパークが建設されることが、ほぼ決定したと報道されました。ようやく、今帰仁村にも脚光があたるようです。
計画自体は以前から「ここに来るだろう」と言われていたもの。ジャパンエンターテイメントという会社が主体となって、テーマパーク事業を計画しています。この会社は、オリオンビールやリウボウ、ゆがふホールディングスといった県内有力企業3社に加えて、近鉄グループホールディングス、刀の5社が集まって設立したもの。オリオンビールの関連会社が営業する嵐山ゴルフ場跡地に建設する、というのも、自然な流れのように思えます。
刀はUSJの関係者が設立した会社。以前「USJが沖縄に進出する」と噂された時代の執行役員の方が代表者で、ここが市場分析や計画立案を行うようです。テーマパークの内容はUSJとは打って変わって、沖縄の自然や文化をテーマにした物になると報道されています。いずれにせよ、アミューズメントパーク運営のノウハウはあるわけで、開業後には観光ディスティネーションとして注目されることは確かでしょう。
となると、気になるのが今帰仁村内の不動産の動き。今帰仁を主な商圏とする沖縄かりゆし不動産としては「テーマパークが来たら、今帰仁の土地価格が高騰!」と……までは考えておりません。しかし、今まで苦戦していた物件に脚光があたることは確実で、嵐山付近に物件を持っている人は要チェック。気になるのは、字湧川、字呉我山、字玉城、字天底あたりですね。こういった地域は嵐山から近く、国道505号のルート上。
観光客の動きは今後、美ら海水族館(海洋博公園)で1日過ごし、次いで新テーマパークで1日過ごすという流れになるでしょう。となると、このふたつのポイントをつなぐ505号線という動線上にある上記の字がクローズアップされるだろうと思います。
嵐山から本部町をつなぐ県道84号沿線も気になるところですが、こちらは山の中で海がなく、魅力としてはワンランク落ちるかも知れません。字伊豆味や字並里がこの沿線上にありますが、今帰仁村よりもどちらかというと本部町を通るルートという感じです。そのため、新テーマパークから近い割に「今帰仁村内じゃなく本部町か……」と、心理的にやや敬遠される可能性もがあり、今のところ問い合わせにつながっていない状況です。
いずれにせよ、これらのエリアには物件が豊富にあるので、ものすごく高騰するわけではなさそうです。しかしそれでもより売れやすく、より強気の価格でいける、という状況にはなるでしょう。逆にいうと、買うなら今のウチです。狙っている人は早めに買っておいたほうが無難でしょう。ホテルも少なめなので、宿泊関連を狙うのもよいと思いますが、その周辺の業態も狙い目。SUPなどのマリンアクティビティーは少ないですし、魅力的な飲食店も乏しい状況です。他にも観光系の事業で魅力的な物を打ち出せれば、これからおもしろいエリアだといえます。
<フォローアップ>
その後も新テーマパークについては報道が続いています。徐々に明らかになっている概要をまとめると、おおむね以下のような計画と考えられます。
テーマパーク開業は2024年末から25年初頭。沖縄の文化や自然をテーマとする、と発表されていますが、具体的には現在のゴルフ場の地形をいかすなどの計画もあり、かなり自然体験寄りな気がします(ここまでの発表では、という話なので、まったく断言できませんが……)。
総事業費は500~600億円規模といわれ、これは大阪のUSJと比べると数分の一というスケールです。しかし、沖縄本島北部でこの規模であれば、相当インパクトがあるものとなりそうです。
年間来場者数は300万人~500万人を見込んでいるとも報道されています。これもUSJの数分の一程度ですから、計画としては納得のいく数字。ただし、USJより低い数値とはいえ首里城公園(那覇市)の年間来園者数285万7000人よりも高い目標で、おおむね沖縄美ら海水族館の年間来館数378万4000人に匹敵するものです。これが実現したら今帰仁村はたいへんなブームになるはずで、5年後を楽しみにしたいと思わされます。
今後とも関連ニュースから目が離せません。