著作権の観点から、GoogleMapsやYahoo!地図などを利用することは避け、広告等には、商用を含めた利用を認めている地図を使いましょう。比較的精度が高く、なおかつコピーライトを明示することで商用を含めた利用を認めているのは、OpenStreetMapと、地理院地図です。それぞれ一長一短があるので、目的に応じて使い分ければなおよいでしょう。
OpenStreetMap
OpenStreetMapは、地図のWikipediaとも言われるオープンデータの地図情報プロジェクトです。コピーライトを表示すれば、自由に地図を利用することができます。
地図データをダウンロードすることも可能です。画面右のメニューから「共有」を選ぶと、サイトに貼り付けるためのコードを取得できますが、その下を見るとダウンロードボタンがあります。PNGなど利用しやすいファイル形式を指定できるほか、ダウンロードする画像のサイズも指定できるため、かなり使い勝手がよいと思います。
おすすめは適当なサイズのPNGでダウンロードした後、Inkscapeの書類に貼り付けて必要な文字や記号などを載せて、PDFで保存する方法。PDFのアプローチマップを作ることができ、お客様にダウンロードしてもらえば役に立つはずです。
より凝った編集をしたい場合はosm形式のファイルをダウンロードして加工します。osm形式のファイルをutm2svgというツールでsvg化してInkscapeなどで加工できるようですが、めんどくさいので、実務ではビットマップ画像を貼り付けた方が手っ取り早そうな気がします。
地図のデザインはアメリカ〜な感じで、日本人にはちょっと違和感も……。しかし、しかしそれでも権利関係がクリーンなので、Yahoo!地図をこっそり使うとかよりはよいと思います。
Open Street Mapをサイトに貼り付けると上のような感じになります。
地理院地図
地理院地図もコピーライトを表記すれば、一般の地図利用を認めています。地図データのダウンロードも可能ですが、しかしデザインが昭和な感じです。あえてアナログ感を表現した……としか思えず、なぜそうなっているのか謎です。
とはいえ、これを元にInkscapeなどのソフトで文字を載せていけば、十分いい感じの案内図ができると思います。PNGで保存できる点は助かります。
また、あまり同業者さんには教えたくないのですが、画面右上の「機能」というボタンをクリックすると、便利な機能が並んでいます。おすすめは断面図。高低差をおおまかに把握したい場合などに使えます。
地理院地図Vectorというものも試験公開されており、今のところ使い物になりませんが、完成したらイケると思います。白地図っぽいデザインにしたりもできるので、使い道いろいろ、という感じです。