観光客が増加している中で、リゾートホテルの稼働率が、若干ですが低下しているようです。これはどういうことでしょうか。
沖縄振興開発金融公庫の発表によると、2018年度の沖縄県内主要ホテルのうち、リゾートホテルの稼働率は79.6%。若干の稼働率低下ではありますが、3年ぶりに80%の大台を割る結果となりました。客室単価は2万3358円で、ほぼ横ばいの状況です。
一方、シティホテルなどの宿泊特化型ホテルの稼働率は84.4%と、微増ながら伸びています。客室単価は238円増の8354円で、リゾートホテルから格安の宿泊特化型ホテルに人気がシフトしつつあると考えられます。
原因としては諸説ありますが、大筋としては日本国内の景気減速にともない、旅行費用を抑えたい日本人客が増えていることと、入域旅行者に占める外国人観光客が増加していることの2点ではないかといわれています。
そしてこの状況は、今後とも続く可能性があります。
10月の消費増税の後に景気が減速する、というのは多くの経済学者の意見が一致するところですから、日本人旅行客の財布のひもは今後とも引き締められる傾向が続くはずです。また、韓国人観光客は減少すると考えられるものの、アジア各国からの旅行者は今後とも増えるだろうと考えられます。そうなると宿泊特化型ホテル(シティホテルや簡易宿所等)の需要は今後とも高止まりするだろうと思います。
事実、県内では宿泊特化型ホテルの新設も多く、今後とも注目しておきたい業態のひとつと考えています。弊社の物件の多くが旅館業対応物件。気になる方はぜひチェックしてみてください。
2019年の状況は?
さて、昨年は好調だった宿泊特化型ホテル、今年はどうなのでしょうか? 弊社で運営(予約管理)しているコテージハウス龍球は比較的好調で、8月の稼働率は100%でした。周囲の施設の状況をみても、稼働率は下がっていないという所が多いようです。ただ、客室単価についてはやや下降気味かも知れません。施設にもよるので統計が発表されるまではなんともいえませんが、少なくとも単価が上がる傾向にはなさそうです。
また、日韓関係の悪化による韓国客の減少は、多少なりとも影響してくると考えられます。報道によると、韓国のプロ野球チームのうち三星(サムスン)ライオンズは沖縄での秋季キャンプを中止する方針を固めたそうです。
韓国からのLCCが運休を決めるなど、韓国からの観光客が減少する可能性は、ある程度計画に織り込んでおいた方がよさそうです。一方、香港からは新たなLCCが那覇空港に乗り入れるなど、まさに読めない状況が続きそう。
民泊・簡易宿所の事業化をお考えの方にとって、今はよい時期だと思いますが、事業計画を立てる際には、最新の統計を入手して慎重に検討する必要がありそうです。