国土交通省が毎年1月1日時点の1㎡あたりの正常な価格を判定し、公示しているのが「地価公示」。毎年この時期に発表されます。令和2年1月1日は新型コロナウィルス騒動が巻き起こる少し前。全国的に地価は上がっている、と発表されました。
全国的な地価動向として国交省は以下のように発表しています。
全用途平均は5年連続、住宅地は3年連続、商業地は5年連続で、いずれも上昇基調を強めている。
どれくらい上昇していたかというと、このところずっと上がってきた、という状況でした。具体的には次のグラフが示しています。
バブル期のピークは平成2年ごろと考えてよいので、東京23区に関してはバブル期を完全に超えていたと考えられます。それ以外の3大都市圏や主要地方都市においても地価はリーマンショック前よりも軒並み上がっており、上昇局面にあったことがうかがえます。
去年まで、沖縄のおじー(ベテラン業者)たちは口々に「今の状況はバブルそっくり」「むしろバブルを超えた」と語っていましたが、あながち間違いではなかったようです。国土交通省の地方圏に関するリリースでも、沖縄はかなりの存在感を見せています。
市町村名 | 住宅地 | 商業地 |
---|---|---|
那覇市 | 9.9%上昇 | 20.1%上昇 |
読谷村 | 21.2%上昇 | 18.8%上昇 |
宮古島市 | 14.1%上昇 | 27.3%上昇 |
那覇市についてはゆいレールの延伸による利便性の向上や、海外からの観光客の増加などの要因が挙げられていました。読谷村については国道58号沿いの飲食店や大型商業施設の開業などによる利便性が、価格上昇の原因と分析されています。宮古島市については書くまでもないですが、リゾート開発による商業用地需要と、施設従業員のための賃貸住宅需要が地価を引き上げているようです。
コロナウィルス後の地価はどう出る?
しかし、残念なことにコロナウィルスが本格的に日本国内に感染経路を広げ始めた3月以降、弊社では大型土地への問い合わせが減少しています。海外からのお客様も減少しています(というかいなくなっているような気がします)。以前なら、台湾から来たお客様が名護市内某所から「Now, I’m seeking your office.」とかメールを送ってくださったりしたのですが、最近は外国語を聞く機会がゼロです。
では物件全般の問い合わせが止まったのかというと、案外そうでもありません。
弊社のホームページ(このサイトです)へのアクセスは、昨年同時期より2割くらい増えています。物件の価格帯によっては、問い合わせが活発で、同じ物件を1日3往復して案内したりしています。ただ、流れは変わったと感じます。昨年夏までは事業用の土地、建物に問い合わせが集中していたのに対し、現在は個人のお客様が、個人で利用する不動産を探されている印象です。
コロナウィルスが落ち着いたところで、沖縄への投資が戻るのか、戻らないのか? その結果次第で、沖縄の地価が再度上昇するのか、しないのかが決まるように思えます。でも、今のところはまったく読めません。