本記事にはフォローアップがあります。 沖縄不動産バブルが終わるのはいつ? |
不動産屋ばかりの模合というのがあり、もちろんそういうモノのひとつに参加しています。で、最近その席でよく話題になるのが「沖縄のこの不動産バブルがいつまで続くのか?」という予測。
その前に沖縄の不動産がバブルの状態にあるのかというと、おそらくはバブルの状態であると考えられます。地価公示と実際の不動産価格の差が3倍程度開いているとバブルの状態にあると言われますが、最近の沖縄の不動産価格はその域を超えていますので、ちょっと異常といえるでしょう。そんな中で、まったく交流のないはずのしーじゃ(先輩方)が、なぜか異口同音にバブルの崩壊を予測しているのです。こ、これは! ちょっと気になりますね。
この不動産バブルは来年の6月に崩壊する
おひとりは復帰前から徒手空拳で不動産業をはじめた、たたき上げの社長さん。60代半ばで、沖縄の不動産業界を知り尽くした大先輩です。来年の6月にバブルが崩壊するという予測の理由を尋ねると、「理屈じゃないんだよ。僕は前のバブルを知っている。前回のバブル崩壊の状況とそっくりなんだ。あと半年で崩壊すると思うから、6月と言っている」とのことでした。
もうおひと方は、有名企業で営業職として活躍し、定年後に独立して不動産会社を立ち上げた方。現在70代ですが、今もって高額の取引を動かし続ける、営業センス抜群の先輩です。この方も6月崩壊説を唱えています。その理由を聞くと「理屈じゃないんだよ。長年のカンで、夏ごろが危ないと思うんだ」とのことでした。
経験豊富な先輩方が、理屈ではなく嗅覚で「6月が危ない」と考えているわけです。
実際には違うシナリオがありそう?
もちろんおふたりとも経済学の専門家ではないので、理屈の上では違う予測がありそうです。では、経済学者はどう予測するのかを考えてみましょう。
どんな経済学者の意見もほぼ一致しているのは「前回のバブルが崩壊した原因」。これについては、日銀が金融緩和の方針を転換して引き締めに入ったことが原因で、急激に経済が失速してバブル崩壊が起きた……という理解が定説になっているようです。
しかしながら前回の教訓がありますから、次に日銀が引き締めに転じるときには対策をしてくると思いますし、その意味では急激なバブル崩壊による不動産価格の壊滅的低下は起こらないのではないか……とも考えられます。
ですから、理屈からいうと「前回のバブル崩壊前に似ている」から「そろそろバブルが崩壊する」というふうに、直線的にはつながらないように思えます。個人的には、今後日銀が金融緩和の方針を見直し始めたら警戒し、経済が失速しそうな兆候が見えた時点で手持ちの不動産活用方針を迅速に転換する、という姿勢が正解ではないかとも思います(注1)。そして、それはもう少し先のことに思えてならないわけです。
しかし、先輩方の意見の一致(しかも6月という予測まで)は気になりますね。ひとまず、夏前には警戒を怠らないようにしたいと思っています。
注1……経済学者の中には(森永卓郎氏とか)日銀がすでに金融緩和政策を転換しつつあるという人もいます。これが正しければ……しーじゃたちの直感は鋭く当たるかもしれません。ただし、森永さんの意見は少数派なので、当たらないかもしれません。未来の予測は非常に難しいということでしょうか。