沖縄不動産バブルは続くのか?

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写真は弊社取り扱いのビーチ付き大型物件(今帰仁村越地)

沖縄の不動産バブルはいつ崩壊するのか? その問題は多くの方の関心事となっているようで、本サイトのバブル崩壊関連記事へのアクセスはいっこうに衰えません。

気になる「で、沖縄の不動産バブルはいつ崩壊するの?」という問いへの答ですが、最近は「まだだいぶ先では?」と思えるようになってきました。そう思うに至った理由は、内地の同業者さんとの意見交換です。

京都と沖縄はそっくりな状況

京都の業者さんと話をしていて「まったく同じだ」と思ったのは、最近のこと。このところの動きはどうですか? という質問に、お互い同じ返答をしたためです。簡単に言うと、京都も沖縄もこんな状況。

ごく小規模な物件か、相当大規模な物件は動いています。沖縄でいえば、200万円~1000万円以内のオーシャンビューの土地は活発に動きますし、数億円規模のホテル用地や施設用地が売れた、という話はよくあります。弊社の大型物件への問い合わせも多く、まだまだ需要が強いという感触です。一方、中規模の物件(たとえば3000万円や1億円クラス)は問い合わせが激減。はっきりと分かれている印象です。

この流れを作ったのは、スルガ銀行事件ではないかと思っています。スルガ銀行の不正融資を受けて、金融庁が各金融機関に事業用ローンにかかる審査の厳格化を求めたそうです。そのため、融資による沖縄県内(そして京都府内も)の物件購入が大幅に減少。そのため中規模の物件が動かなくなっていると推測されます。

小規模な物件は一般のお客様がキャッシュで購入できますし、超大型物件もまたキャッシュで売買されます。海外の企業が購入するケースが割合多く、こういった場合は普通にキャッシュで購入していきます。台湾、マカオ、香港、中国本土などが多い印象です。

さてここまで「……印象です」と、歯切れの悪い説明を続けてきました。それは、こういった状況を分析した統計などは存在しないからです。とくに、大型物件を誰が買っているのかというような統計は見たことがありません。

ところが、金にモノをいわせて、そんな事を調査した法人があります。それは、受信料による潤沢な資金をもつNHKという特殊法人! 東京のタワマンの事例ですが、非常に参考になります。

NHKがタワマン所有者を調査

NHK NEWS WEBの記事「日本人が都心でマンションが買えなくなる?」は、台湾や中国を中心とした外国人、外国企業が東京のマンションを買い漁っている状況を調査したもの。「過去5年ほどの間に竣工した東京都内のタワマン、85棟」をピックアップして、登記簿から所有者を割り出しています。

これ、登記簿代だけで250~300万円ほどかかっているはずで、お金のある特殊法人以外にはなし得ない調査ではないかと思います。

閑話休題。その調査結果は……

外国の個人や法人が所有する部屋の数は少なくとも1434、オーナーの数は1816に上っていました(去年4~5月時点 NHK調べ)。外国資本が所有する部屋数が多い上位10棟のうち、4棟が中央区、3棟が新宿区、2棟が港区、1棟が豊島区と都心に集中。ちなみに中央区は晴海や勝どきなどの湾岸エリアに集中していました。 さらにオーナーは、台湾が最も多く664、香港を含む中国が590、シンガポールが367などとなっています。そしてイギリス領バージン諸島などのいわゆる「タックスヘイブン」の法人も42部屋を所有していました。中には1人で6部屋を所有する強者も。

ここで背景について時系列を追って説明しておきましょう。もともと東京のマンションが外国人の投資対象となったのは、東日本大震災の後。マンションが売れなくなって物件価格が下落、同時に円安により、外国人投資家の目に「格安だ!」と見えたことが原因で、東京の不動産が買い漁られるようになりました。

結果、投資マネーの流入により、東京の不動産価格は上昇を続けました。確かここ7年ほど上昇を続けています。そのため、東京の不動産の利回りが一転して低下し、投資マネーの流入は落ち着いている状況といわれています。

ではいまだに東京のタワマンが売れている理由は? それは、リアル富裕層が自分用に購入するため。ある意味セカンドハウス用に、ある意味資産の海外移転によるリスクヘッジのために、ということのようです。そういった需要がいまだに東京の不動産を買い支え、マンション価格を高止まりさせているわけです。

沖縄も類似の状況

沖縄においても、大型物件や高価格物件はリアル富裕層が購入する傾向が強まっています。いつ中国に併合されるか分からない台湾の富裕層が、資産を海外の不動産に分散投資したり、自国で不動産の所有権を取得できない中国人が海外に土地や建物を求めたり……といった動きは、沖縄で宅建業をしていると肌で感じますし、台湾や香港、中国本土のお客様を案内する機会は多々あります。

インバウンド観光客が増えた沖縄のビーチ

おそらく今後ともこの状況は続くでしょう。アジアの富裕層から見たら日本は近所ですし、経済が悪いとはいえ不動産価格が暴落する兆候はないわけですし、アセットアロケーション的にちょうどいいポジションといえるからです。また、アジア各国からの旅行客が増加を続けている(韓国は不透明ですが)沖縄は、少額の投資先としても注目され続けるはずです。退職金で小さな宿をもちたい、といった需要を十分受け止められる状況にありますので、小規模物件についても、引き続き活発に動くとみています。

というわけで、向こう数年、沖縄の不動産バブルは続くのではないでしょうか?