時々お客様に尋ねられてお答えするのですが、ローンを申し込むときのコツやポイントは、ふたつあります。「ローンの月額は今の家賃と変わらないのに、融資の審査に通りませんでした。どうすれば審査に通るのでしょうか?」というお悩みは、次のポイントを押さえれば解決するかも知れません。
①銀行の支店ではなくローンセンターへ行きます
②購入したい物件についての資料は詳細に。時間が合えば不動産会社の営業担当の同行もお願いしましょう
銀行はどこを見ているのか?
よく仕事でご一緒させていただく某銀行の担当さんに尋ねたところ、こんな答が返ってきました。「融資の審査で銀行が見ているのは2点です。まずお客様がどんな方か、そして購入される不動産がどんな物件か」。
つまり、①誰が、②何を買うかという問題です。
融資の審査が通らないという事は、上記の①か②のどちらかに原因があると考えられます。そこで、まずはお客様の属性について、しっかり判断できる担当者に対応してもらう必要があります。
そのため、支店よりもまずローンセンターに行くことをおすすめします。銀行の支店の担当者は住宅ローンだけを手がけているわけではありません。中には住宅ローンに若干不慣れな方もいますので、ローンセンターに行った方が確実ではないか、と思います。
弊社で見聞したケースとしては、ローンセンターの担当さんはいろいろと提案もしてくれる場合が多いです。たとえば借入額に対してちょっと年収が足りない場合は「奥様の年収も合計して」とか「お父様が保証人になれませんか」などなど。「こうすれば審査に通るんじゃないか」というポイントがいろいろとあるようで、優秀な担当さんはたくさん引き出しを持っていて、そこからアイデアをだしてくれます。
物件のどこを見るのか?
不動産はひとつひとつ個性があり、同じものがありません。ですので、銀行の方も不動産の内容については詳しく見て検討するようです。
ごくおおざっぱにいうと、「この不動産の価値はどれくらいだろうか?」「今の所有者が義務者となっている抵当権は、売買の時にちゃんと抹消されるだろうか?」「再建築に問題はないだろうか?」などなど、けっこう専門的なポイントを突いて質問されます。
そのため、めんどくさくても不動産業者の担当に同行を依頼し、窓口に行ってもらう方が確実です。その物件の担当であれば銀行からの質問には回答できますから、銀行サイドで誤解が生じる心配はかなり減少します。
たとえば、税金を滞納して差押の登記が入っているような物件は、銀行の警戒度も跳ね上がります。こんなケースでは不動産会社の担当者が市町村や県税と打ち合わせをしているはずですから、同席していれば銀行からの質問や疑問に即答できるでしょう(このようなケースでは、差押登記を抹消する段取りをしてから売り出しています)。
ちなみに、お客様が単独で銀行窓口に行かれた場合でも、結局銀行から不動産会社に問い合わせがあり、さまざまな打ち合わせをして進めるケースが大半です。銀行からは「お客様から融資の相談があり公図を見ましたが、敷地前面の地番がない土地は何でしょうか?」なんていう質問が寄せられ、それに対して「あ、それは里道の一部が残っている状態で、そこを含めて前面道路はすべて市道になっています」などとお答えしたりします(実際にあったやりとりです)。
そんなわけで、ローン審査に不安がある方は、不動産会社担当者の同行を依頼してください。話が早くなる可能性がけっこうあります。
それでもローンが組めないときは?
そこまでしても融資の審査が通らない場合は、おそらく物件価格が高すぎるのだと思います。安くても納得のいく物件を探して、再チャレンジしてみましょう。