水道管がなぜそこに?

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弊社(沖縄かりゆし不動産)の商圏は郊外というかちょっとイナカです。価格査定の作業に入る前にいろいろと調べることがあるため、都会の不動産屋さんよりもおそらく手間がかかっていると思います。

なぜ手間がかかるのかというと、インフラがなかったり農地法の制限で家屋が建たなかったりするためです。建築不可の土地は宅地として評価できないため、そもそも査定(評価)の基準を変えないといけません。

農地法や森林法の制限を受けないことがわかって、電気や水道がきているとしても、油断できません。今回はそんな事例をご紹介してみます。

水道メーターがない…

小さな建物があり電気や水道も引かれている物件の事例です。水道はあるようですが、現地を確認したところ水道メーターがありません。

なんだかいやな予感……。

周囲は小さな分譲地となっており、海が見えるすてきな別荘が並んでいます。しかし、どのお宅にも水道メーターが見当たらないのです。

不可解に思って今帰仁村役場に行くと、意外な事実が判明しました。水道メーターは約2.5km離れた路上に設置されていたのです。村役場の人も「あれー?」と頭をひねっていましたが、本来そのような接続方法は許可されないはず。道路に沿って二次側の配管(敷地内に引き込むための配管)を取り回すことはできないので、自宅目の前の水道本管から、自宅敷地内に水道を引き込む必要があります。この物件は目の前に水道本管がなく、本来であれば道路占有許可を得て水道本管を目の前まで延長(自費)する必要があります。しかし本管延長をするのはめんどうなので、とりあえず2.5km先の本管に接続したようです。

これは水道を使っているのに「水道がない」と判断せざるを得ないので、不動産の評価としてはマイナスになってしまう事例です。

なぜそこを通した?

数百坪の敷地に立派な建物がある物件。机上査定であっても、一応は現地を確認しないといけないので、ちょろっと立ち寄ってみたところ……こちらも水道メーターが見当たりません。

またまたいやな予感……。

役場で水道配管図面を入手したところ、隣の敷地をばっちり通して、だいぶ離れた場所に接続していました。再度現地に戻り、よその敷地のメーターを確認してみたところ、ふたつの水道メーターが仲良く並んで設置されていました。

うーん。お隣さんも納得の上でこんな風に水道を引き込んだのでしょう。しかし、登記簿を見ると売買により代替わりしており、当時の持ち主とは変わってしまっています。「いいよ、俺んちを通して水道ひきなよ」「ありがとう」みたいな感じで、最初の持ち主たちは水道を設置したのかもしれません。でも後にこのような問題に発展しがちなので、こういう事は避けた方がよいのですが。

この例では、直ちに値段に影響するかは微妙ですが、取り扱いには注意が必要です。