今回の話題は「不動産価格査定」そのものよりも、今後査定書を読むときに気をつけておきたい話です。他のエントリーでもしつこく書いているように、価格査定書は「あくまでも相場」であり、誰が査定しても同じ金額になることが望ましいわけです。
そして、私たちは査定書の価格よりも高く売ることを前提として仕事をしています。なぜなら、現在沖縄は不動産バブルと考えられる状態だからです。こういう状態にあるときは、「過去の相場」である「価格査定書」は、常にちょっと安めの金額となっているため、それに「今だったらどれくらい上乗せできるのか?」を考える必要があるわけです。
ところが、3月以降様子が変わってきたのではないか? という噂があります。
融資が通らない!
同じ話をあちこちで聞くのですが、このところ融資の審査が厳しくなっているようです。「うちのお客さんも融資通らなかったよ」とか、「今月は2件、融資不可になったよ」という話をここ3日の内に何度か耳にしました。
とくに事業用ローンと、セカンドハウスローンが厳しくなっているようです。某金融機関の人からは「いわゆる『かぼちゃの馬車事件』の影響で、うちはセカンドハウスローンや事業用ローンの審査が非常に厳しくなっています。」とはっきりと言われました。
3月に入ってから物件の動きが止まっている
金融機関の融資引き締めは昨年末くらいから噂されていました。ですが、その時点ではあまり影響を感じず、「融資の審査が厳しくなっても、利率自体は低いままだから、影響は限定的なのか?」という観測もあったのです。
ところが、3月に入ると、当社(沖縄かりゆし不動産)の物件問い合わせが目に見えて減少。同時に、まわりの同業者からも「なんか暇になった」という声を聞くようになりました。そこで、同業者と会ったときには、積極的に「御社の問い合わせは減ってませんか?」と尋ねるようにしています。
その結果、「減ってないよ」と答える業者は皆無。だいたい「そういえば3月に入ってから落ちつているね」とか、「3月から暇になったから、物件売り主さんの挨拶回りに時間をかけているよ」などという返答が帰ってきます(沖縄本島北部の場合)。
4月以降どうなるのか?
実際のところ、この不気味な沈黙が何を意味するのか、まだ判断はできません。4月以降の市場動向をみて、この失速傾向が続くとしたら要注意。もし4月に広告の反響が持ち直し、契約件数が再び上向いたとしても、油断はできないような気がしています。
たとえ金利が上がらず、いわゆる異次元の金融緩和が続くとしても、実際に貸し出す件数が増えるとは思えず、そうなると市場に流れるお金の量は減少するはずです。前回のバブル崩壊に比べると緩やかであっても、今後の不動産価格は下落傾向を続けるのではないか……。
不動産売却を検討している方には、林修先生のあの一言を贈りたいと思います。
いつ売るの?
今でしょ!
いやマジで、今から売るなら早いほうが安心な気がします。