期限の利益の喪失!?

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査定書をお送りしてから3か月ほどして、お電話をいただいたケースがありました。
お電話は物件名義人の奥様からでした。
「主人が脳出血で倒れたんです。ようやく退院したのですが、ローンの支払いが滞って……」
銀行からの督促があり、戸建て住宅を売却しないといけない……という状況のようでした。

残債務1800万円、査定額は?

さっそく営業の担当者と現場急行。八重瀬町内では人気のある一等地の、戸建て住宅です。なんとか病から立ち直ったご主人様を交えて話をしますが、この時点ではまだ少しろれつが回らない感じでした(後に元気になられて、一同ホッとしたのですが)。
銀行の残債務をうかがうと、約1800万円ほど。すでに支払いを滞納しており、事態は急を要する状況でした。そのほかに、税金の滞納などもあり、絶対必要な資金は約1900万円になります。
査定額は1800万円台後半と、ぎりぎりの数字でした。

期限の利益の喪失約款とは?

弁護士法人東町法律事務所のコラムでは、次のように説明しています。詳しくはこれを読んでいただくとわかりやすそうです。
http://www.higashimachi.jp/column/column94.html

超簡単にまとめると、一定の事由が生じたら、融資をしている債権者は残金全部をすぐに返すよう請求できる、ということになります。銀行ローンであれば、「滞納をしたら期限の利益を失う」という期限の利益の喪失約款が付されているはずですから、滞納によって残債務全額の請求を受けるということになります。

で、冒頭の話に戻ると、お客様はすでに滞納をしている状況……。
対応は急を要すると判断しました。

銀行との打ち合わせに!

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さっそく銀行の支店で担当者に面談すると、すでに債権は銀行から保証会社に移っていました。ご自宅の登記簿を見たら、抵当権者の欄に「○○銀行保証」といったような名前がみられるかも知れません。これは何をする会社かというと、銀行がお金を貸した債権(債務)の保証をする会社で、簡単にいうと銀行からお金を借りた人が払えなくなったら、○○銀行保証が○○銀行にお金を立て替えて(保証をして)、今度は借りた人にたいして請求をしかける……というような事をしているわけです。
保証会社に移った段階で、「ローンの支払い計画を変更して、月々払える額で組み直す(リスケジュール)」といった対応は不可能になっています。
売るか? 競売にかかるか?
ちょっと緊迫した状況になっていますから、私たちはノートを持参して議事録を作成しながら担当者と話し合いをします。ここで競売のスケジュールを確認、デッドラインが決まった中での売り出しとなりました。

なんとか金額のつじつまを合わせる……

いろいろあってここには書けませんが、査定額で売却しても何とか負債ゼロに抑えた上で、お客様の引っ越し代も捻出できる計画を立案。幸い物件の立地はいいですから、思いつく限りの不動産業者にファックスやメールで資料を流し、ネット広告や新聞広告を打ち、おまけにチラシも配布して告知していきました。
結果としてはぎりぎりセーフ。
こう書いてしまうと簡単そうに見えますが、実際には「期限内にどうやって売るか」に頭を悩ませました。
こうやって物件を処分された後のお客様は、非常にすがすがしい感じです。持ち家からアパートに引っ越すわけですが、悲壮感などはなく「いやー、さっぱりした」という感想をいただくことが多いように思います。

と、いうわけで、期限の利益の喪失約款に気をつけてください! もし、住宅ローンを滞納してしまったら、早めの対応を心がけましょう。いやむしろ、滞納する前に対応を始めましょう! そのほうが僕たちも助かります。